医療系

PT思い出日記~国試大戦争~

 

 

時は平成…とある冬の話である…

病院実習を満身創痍で乗り越えワタリは平和を取り戻したのであった

第1話 国試、現る

 



同志たちも帰還した

それぞれ苦難を乗り越え、顔つきも変わっていた

 

同志たちと己の戦績を語り合ったり他の戦場での修羅を感じたり

残念ながら戦場にて脱落した者もいた

我らは刃に倒れた同志を想い再び結束していた

 

こんな思いを後継者にさせてはいけない

我らが教育の現場に立った暁には血を見ることのない、深い愛、かつ健やかに後継者を育てていこう。と

 

 

決意した

 

その刹那

 

 

 

 

ドスン

 

 

 

 

平和な日常に

突如鳴り響いた重低音

 

 

耳が

 

魂が

 

 

この音を知っていた。

 

 

否。

 

 

” 覚えていた ”

 

 

歴史が連なり束ねられたその重み

 

我らが学院に入ったその日

渡された知識の山

 

 

机に落とされたその影は

 

 

山か

 

 

城か

 

 

どちらでもない

 

 

それは

 

 

 

城を築き上げるが如く積み上げられた

 

国試対策の「参考書」だった

 

 

 

平和な日常もつかの間

 

 

 

闘いが

 

 

 

始まる……!!

 

 

 

 

第2話 国試大戦争、開幕

 

汝、闘う者よ

 

その書を手に

 

ひたすら読み、説き、教え合い、そして繰り返すのだ

 

その命を受けた我らは5,6人の隊を作り、学びを始めた

 

朝八時より夜八時まで

 

眠りに誘われたり、強者の威圧感に怯えたりその一日はあまりにも長かった

 

この生活がいつまで続くのか

 

このままの学びで大丈夫なのか

 

その不安は我らを焦らせ、渦を巻き、至る所に傷をつけていく

 

 

 

つなぎとめていた糸に亀裂が入る。

 

 

 

第3話 立ち向かうべき敵、それは自分自身

 

気づいたときにはもう手遅れであった

 

それもそのはず

 

我らは人間なのだ

 

不安、焦り、反感、嫉妬

集団になれば必ずそういった負の感情は生まれる

 

教えようと、わからせようとするほど

「なぜこれがわからぬのじゃ」「全く意味がわからぬ。そなたの説明が難しいのじゃ」

「課題はやっておらぬのか?」「やる気はあるのか?」

 

もはや崩壊は目に見えていた

 

隊を離れ別の隊の同志についていく者もいた

 

本来我々は協力し皆で同じ国試という魔物を倒すはずであった

 

しかしどうだろう、今では皆が皆を傷つけ合っているではないか

 

立ち向かうべき相手は国試だけではなかった

 

若い我々は、甘く脆い” 自分自身 “とも立ち向かう必要があったのだ

 

しかしいずれ気づくだろう

 

自分たちがどれだけ甘かったか

 

あの時相手にあたってしまったこと

 

そうして後からでも気づき成長していけばいいのだ

 

そしてそんな毎日が過ぎていくと、次第に模擬演習でも点数が上がっていき士気も高まっていった

 

ちなみにその頃我は冴えわたる閃きと執念にて下の上から上の下にまで成績を上げていた

我ながら多少の自惚れはあった

 

第4話 決戦

 

決戦に向け着々と準備を進めていた

過去の演習は何度も倒した

きっと倒せる

 

しかし問題点が一つ

 

国試は5年に一度、出題者が変わり出題の傾向が変わり難易度が上がる

 

その5年が今年だったのだ

 

その不安はあった

 

しかし我々は確かにこの数か月頑張った。成績を上げた

 

出題者が変わろうが戦場に魔物がいようが関係のないこと

 

我々はただ自分を信じ歩みを進めるだけだ

 

 

そして来たる戦の日

 

時は満ちた

 

無限の課題、地獄の実習、同志との別れ、同志との亀裂

様々な苦難を乗り越えた我々に臆することは何もない

 

ただひたすら解く

そして繰り返し解く

 

さあ、行こう

 

決戦へ

 

 

 

魔物はそこにいた

 

 

確かにいた

 

 

見たことのない出題、容赦のない出題が刃となり我を貫いた

 

この時点で察してしまった

 

こんな難易度、全員が無事勝てるはずがない

 

勝ったとしても五体満足で帰れるかもわからない

 

隊の何人かは落ちる

 

しかし我は諦めない

 

どんなにぼろ雑巾になっても五体が裂かれても奴の喉笛に噛みつく

その意気で我は挑み続けた

 

 

そして時間が来た

 

 

皆、反応は同じだった

 

かつてない強者と出会い恐怖におびえていた

 

「我はだめじゃ…勝った気がしない」「同志よ。拙者の分まで頑張るのじゃ」

 

我も同じであった

しかし僅かながら希望も持っていた

 

あれだけ頑張ったのじゃ

きっと報われる

 

そしてその日に学院へ戻り自己採点なるものをした

 

かつての学院の卒業生、師らが答えを探し、皆で一斉に答え合わせをするという最速かつ正解率の高い答え合わせだ

 

そして我らは無心で印を付けていった

 

緊張で心の臓が飛び出しそうになりながら

 

合格点に届くことだけ考え

 

 

そして答えは出た

 

 

その数を足した

 

 

3年間の日々が脳裏に走る

 

 

3年の学びを経て

 

 

たどり着いたその数字は

 

 

 

 

 

 

ワタリ

6点足らず

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国試大戦争

 

 

 

次回

PT思い出日記

 

国試、再来~RO-NIN~

 

 

悲しみの未来に、幸あれ

 



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